カテゴリ: 「こころのお知らせけいじばん」

こころのお知らせけいじばん(5)

ADHD(注意欠如・多動症)

最近は、芸能人やスポーツ選手がADHDであることを公表するなど話題になっています。

子どもの場合は“朝の身支度、夕の宿題や明日の準備などで毎日保護者ともめる”“衝動性ゆえに、きょうだいやお友達にけがをさせてしまう”などで叱られることが多く、自尊心が低下することもあります。早い時期に適切な対応をした方がスムーズにいくでしょう。

治療では、本人の面接のほかに、親が特徴を知り対応のトレーニングを受ける・学校に治療の状況などをきちんと伝えて理解を得る・薬物療法をする・・なども場合に応じて行います。

相談先は、診断を受けたいなら児童精神科・小児精神科・小児神経科などの医療機関、
具体的な対策を知りたいなら地域療育センター、発達障害者支援センター、お住まいの保健福祉センターなどです。
近年は大人への支援窓口も広がっています。

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こころのお知らせけいじばん(4)

摂食障害は、主に中高生の女子に多く、ときには小学生やスポーツ選手にもみられることもあります。
きっかけは様々ですが、肥満への恐怖などがみられます。
ほとんどはやせ症で始まり、長い経過で食べ吐きに転ずることもあります。
体が危険な状態になることもありますが、本人は運動や勉強を頑張っていて、とても体が悪いようには見えないことも多いです。
治療には、医療機関のみならず家族や学校関係者の協力も必要になります。本人の自己評価が低い場合が多いので、周囲もそれに心理的に配慮して対応するのが良いでしょう。

相談の窓口は、児童相談所、区役所のこども家庭支援課、心療内科や精神科のクリニック等があります。
小児精神科への紹介をご希望される方は、小児科クリニックにご相談ください。

こころのお知らせけいじばん(3)

発達障害(自閉スペクトラム症)は、3歳児健診で見つかることも多く、半数以上は小学校入学前に医療機関などで診断が可能です。
ただ、それ以外でも普段の子どもの様子で「視線が合わない」「言葉が少ない」などで気になる場合もあるかも知れません。
その場合、区役所の福祉保健センターに相談してみましょう。
(磯子区役所福祉保健センター・こども家庭支援相談 045-750-2525)
また、児童相談所でも相談・診断できます。
(横浜市南部児童相談所 045-831-4735)
診断をつける目的だけでなく、そういう特性を持つ子どもとの関わり方のアドバイスも得られます。

おうちの方も専門家に子育てを相談する場を持ち、その情報を学校などに橋渡しすることが必要です。それにより子どもへの関わり方、周囲の人の理解、地域での過ごし方をより良くすることができます。

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こころのお知らせけいじばん(2)

 「痛みや体調不良を繰り返し訴えるけれども、体の異常は見つからない・・・」
こどものこういう状況には、家族もうまく関わることが難しいですよね。
遊んだりして気晴らしをしている最中には調子が良さそうに見えるので
「仮病?」など思ってしまいがちです。

ただし、こども本人にとって痛みや不調は現実。
「気のせい」とせずに、まずは受けとめてあげましょう。
 こどもはまだ言葉が未熟なだけに、様々なストレスが体の症状として出ても不思議ではありません。
また、こども自身も改善しない症状への焦りや怒りを抱えていることも少なくありません。
こういうこどもは、感情をうまく外に表すことができるようになると楽になってきます。
さらに、気晴らしの効果をうまく取り入れ症状を忘れる時間を持てると良いです。
「痛みがあるから○○できない」ではなく「痛みがあっても○○できる」」という方向が目標です。

 その方向を目指すにあたり、メンタルの専門家に相談してみてはいかがでしょうか?
メンタルの専門家とは・・まずはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーです。
また、お住まいの区の福祉保健センターこども家庭支援課でも、問い合わせて相談窓口や医療機関を紹介してもらうことができます。
厚生労働省ホームページ「こころもメンテしよう」もご参照ください。

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*「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。

こころのお知らせけいじばん (1)

「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。

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「こどもが学校に行かれない・・・。」こんな話が近年増えています。
なかでも思春期は社会・家庭・自分の関係にとまどう年頃で、
周囲とうまくいかない時期があるのは無理もありません。
ただ、ずっと学校を休んでいたら・・・。

 最近の児童精神科では、特にこころの病気のようすが見て取れなくても
早いうちに一度は専門家に相談を、とおすすめしています。
なぜなら、学校に行かない間にも外の社会とのつながりを保つ居場所を持つことが重要だからです
(早期解決につながる糸口になります)。
専門家への相談で、原因により本人に合った居場所を考えることができます。
(保健室からフリースクールまで)
また、家族が相談できる相手を持つことにもなります。

 専門家とは・・まずはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーです。
また、お住まいの区の福祉保健センターこども家庭支援課でも、問い合わせて相談窓口や医療機関を紹介してもらうことができます。
厚生労働省ホームページ「こころもメンテしよう」もご参照ください。

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