こころのお知らせ掲示板「インターネット、ゲームへの依存」
コロナ禍もありしょうがない面もありますが、多くの子どもが長時間インターネットやゲームを使用しています。
令和元年度の調査では、青少年のインターネットの一日平均使用時間は、高校生男子268分・高校生女子229分、中学生男子186分・中学生女子167分、小学生男子141分・小学生女子117分でした。青少年がスマホで利用するコンテンツは、動画、SNS、ゲームが上位3つで7割以上、次が音楽で7割弱でした。
コロナ禍による生活変化もあり、令和2年度以降はもっと増えていると思われます。
しかしご存じのように過度の使用には注意が必要です。
ゲームやインターネットのために学業(職業)に支障が出ている状態が続いており、自分でコントロールできないなら、依存症と言えるでしょう。近年、青少年のおよそ10人に1人は依存が疑われる状態と言われています。
孤独である、ほかの趣味がない、学校でうまくいっていないなどの要因や、衝動的、または根を詰めやすいなどの性格傾向・・など依存の起こりやすい状況もわかってきています。出来事でいえば学校でのいじめ、受験などのプレッシャー、家庭不和などが背景にある場合も多いです。
一方で、学校でうまくいっている、自尊心が高い、行動を制御できる・・などは依存がおこりにくい要因です。
では、家庭での対策は、どうすればよいのでしょうか?
すでに依存的になっている場合、本人のゲーム時間を減らす動機づけが肝心です。しかし、これが案外難しいようです。さらに、依存的になっている場合は、単に時間を決めたり制限をかけたりすることでは、あまりうまくいかないことが多いようです。
そこで、別の活動に少しでも興味を移していく、という方法があります。部活・習い事・塾など、ゲームと切り離した楽しい時間を作り、徐々にその時間を長くするよう置き換えていく・・などです。
現在、「ゲーム障害」「インターネット・ゲーム障害」として診療を行っている医療機関もあります。外来診療だけでなく、入院治療、デイケア、家族会などもあります。しかしそのような医療機関はまだ数が少ないのが現状です。依存も予防に越したことはなく、適切使用を意識することが大切です。
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「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。