全国におよそ100の発達障害者支援センターがあります。
自閉症、アスペルガー症候群、その他の発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など、発達障害およびその疑いのある人を支援します。原則として、すべての年齢を対象としており(センターにより、小児期のみ、成人のみを対象とする場合もあります)、現在多くの成人が相談に訪れています。医療機関と違って、家族のみの相談を行うこともあります。相談の内容は「発達障害ではないか」「支援機関や診断できる医療機関を知りたい」ということから、進路や就労に関することまで、多岐にわたります。さらに、発達障害の当事者が親になった際の子育ての相談、触法など重大な問題を抱えている場合の相談、薬物・ギャンブル・ゲームなど依存の相談など、複数の機関が関与するような複雑な相談も増えているようです。
小児期に受診し、いったん診療を終えたとしても、ライフステージに応じて再度医療や相談が必要になることがあります。特別支援教育の案内、就労支援センターや公共職業安定所への紹介、障害者手帳や年金など福祉制度の案内、併存疾患治療のための紹介・・・年齢を問わず、センターを経由して問題を整理し、必要な支援や機関の案内を受けることが出来ます。
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「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。
こころのお知らせけいじばん「発達障害者支援センター」
(2021年10月30日)